2012年02月26日
旅は音楽
リーダーです。
先週から台湾へ向かいました。
沖縄は二胡奏者が少なく
演奏の技量を上げようとすれば
それは本場へ行って師匠から教わることを意味します。
本場では二胡の音楽が日常にあるはずです。
刺激の少ない沖縄では
自分がどれほど通用するものなのか
自分に問うしかありません。
演奏家は常に
自分の理想とするスタイルを作り上げる努力を怠らないものだと思いますが
周囲の刺激が少ないと
自分の立ち位置に迷いが生まれます。
本当にこの演奏でいいのか
という不安がない演奏家は、演奏家のうちに入らないと思います。
本場の師匠は、エリサに
的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

昨夏エリサの招聘で来沖した台湾国楽団のリハーサル風景
小中学生の年齢の少年少女たちが、さまざまな民族楽器を
自在に扱っていた
演奏のニュアンスは楽器ごとに違うので
身体の使い方や呼吸などに
その楽器特有の語彙というか
言葉の使い方があります。
特に二胡は
私たちにとっては新しい音楽文化。
二胡特有の表現は
二胡以外の楽器を演奏する私たちにも
今まで触れたことのない刺激を与えてくれるはずです。
それは、単に耳でとらえられるものばかりでなく
匂いとか、雰囲気とか
何世代にもわたって歴史を紡いできた
人間の民族性というか
人間だからこそ捉えられる
大切な物を持ち運んでくれるのではないかと
期待しています。
音楽は、私たちを別次元へ運んでくれる不思議な力を持っていますが、
たどり着いた先には、何が待っているのか
体験したことがありますか。
そこは、むしろ音楽のない、
川の流れとか、
草木が風でたなびく音とか、
もはや、耳で聞こえる実音すらなく
月の運行の音や、夜が明ける音
人間が「音」という言葉で表現できる
別の感覚が待っているステージです。
北村透谷は、宇宙の中心に
「無絃の大琴」があると書いています。
大琴から放たれた音が
大宇宙のすべての運行をつかさどっている
というくだりを読んで
人間なら誰しもこの感覚を持っているのだと
感動したことを覚えています。
エリサが台湾から帰るのと前後し
来月はサラが
アイシテルランド(平良トミ風)へ
一人旅に向かいます。
旅程ではいろんな国を訪れるらしく、
「ユーラシア大陸の西の端を見てくる」
とも言っています。
音楽は、音楽そのものが旅であり
旅は音楽のように過ぎるものです。
彼女たちの旅から
多くの出会いが生まれることを願っています。
Posted by Ti-Ras at 23:03│Comments(0)
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